系統用蓄電池と一口にいっても、内部に使われる電池には複数の種類があり、放電できる時間の長さや設置に必要な面積、寿命やコストが大きく異なります。どの電池が自社の事業計画に合うのかを見極める判断材料として、種類ごとの特徴を整理しました。
系統用途で採用される電池は、主にリチウムイオン電池・NAS電池・レドックスフロー電池・鉛蓄電池の4種類です。現在の新規案件ではリチウムイオン電池が中心ですが、大容量・長時間の用途では他方式が選ばれる場面もあります。それぞれ得意とする条件が違うため、容量や放電時間、設置環境に照らして検討することが欠かせません。
現在の系統用蓄電池でもっとも多く採用されている方式で、なかでも安全性とコストに優れるリン酸鉄リチウム(LFP)型が主流です。エネルギー密度が高く設置面積を抑えやすいうえ、数秒以内の速い応答で需給調整市場にも対応しやすい点が強みです。一方で、経年による容量劣化や防火対策への配慮は必要になります。
ナトリウムと硫黄を用いた大容量向けの方式で、6時間以上の長時間放電を得意とするのが特徴です。資源の調達リスクが小さい反面、稼働には約300℃の高温維持が必要で、待機中も一定のエネルギーを消費します。
バナジウムなどを溶かした電解液を循環させて充放電する方式で、20年以上とされる長寿命と発火リスクの低さが強みです。ただしエネルギー密度が低く、同じ容量でも設置面積が広くなりやすい点は考慮が必要です。
古くから使われ安価で導入実績が豊富、信頼性が高い方式です。エネルギー密度が低いため大規模・大容量の系統用途では主役になりにくく、非常用電源などの補完的な役割で用いられます。
リチウムイオン電池が選ばれる背景には、量産によるコスト低下と、高いエネルギー密度による設置効率の良さがあります。加えて数秒単位の速い応答性が需給調整市場の要件と相性が良く、卸電力市場での充放電にも柔軟に対応できます。収益機会の多い市場に参加しやすいことが、事業性の観点でも採用を後押ししています。
電池の種類は「性能が高い順」で選ぶものではなく、事業モデルに合うかどうかで判断します。確認すべき観点は次の通りです。
同じ容量でも方式によって必要な土地や運用条件は変わります。狙う電力市場と事業計画に照らして電池方式を選ぶことが、収益性と安定稼働の両立につながります。
系統用蓄電池は、リチウムイオン電池を中心にNAS電池やレドックスフロー電池など複数の方式があり、放電時間・設置面積・寿命・コストにそれぞれ違いがあります。現在の新規案件ではリチウムイオン電池が主流ですが、最適な方式は狙う市場や設置条件によって変わります。
電池方式の選定は、稼働後の収益性や保守負担まで左右する重要な判断です。自社の事業計画に合った構成を見極めるためにも、用地の選定から機器構成、系統連系、運用までをワンストップで支援できる専門企業に相談し、比較検討することをおすすめします。
系統用蓄電池事業では、事業フェーズごとに求められる専門性が異なります。支援会社によって対応範囲も異なるため、フェーズに合わない会社に依頼すると、対応できない工程は別の会社を探すことになり、事業化が遅れる原因になります。
だからこそ、事業フェーズに合った支援会社を選ぶことが重要です。
当メディアでは、用地選定・設計施工・運用の各フェーズに適した支援会社を紹介しています。各社の特徴を比較し、適したパートナー選定にお役立てください。
