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系統用蓄電池の手続き・申請

目次

系統用蓄電池の事業は、機器を設置すればすぐに稼働できるわけではありません。電力系統につなぐための系統連系の申請、電気事業法上の届出、そして収益源となる各電力市場への参加登録など、複数の手続きを段階的に進める必要があります。手続きによっては回答や工事に長い期間を要するため、全体の流れと所要期間を早い段階で把握しておくことが、事業計画の精度を左右します。

手続きの全体像と
進め方の順序

系統用蓄電池の導入手続きは、大きく「系統連系に関する手続き」「電気事業法上の手続き」「電力市場への参加手続き」の3つに分かれます。なかでも中心となるのが、電力会社の送配電網に接続するための系統連系の申請です。系統連系は電力広域的運営推進機関(OCCTO)や各送配電事業者が窓口となり、事前相談から運転開始まで順を追って進めます。

系統連系の申請プロセス

系統連系は、資源エネルギー庁やOCCTOの資料によると、おおむね次の順序で進みます。

  • ①事前相談(連系可否や概算の確認)
  • ②接続検討の申込
  • ③接続検討回答(連系に必要な工事や費用の提示)
  • ④契約申込(接続契約の締結)
  • ⑤系統連系承諾
  • ⑥系統連系工事
  • ⑦運転開始

受電電力の合計が1万kW以上の案件はOCCTOが接続検討・契約申込の受付を担当します。事前相談は申込受付から1か月以内、接続検討は原則3か月以内(逆変換装置を用いる500kW未満は2か月以内)に回答するのが目安で、接続検討回答の有効期限は1年とされています。

参照元:電力広域的運営推進機関(OCCTO)HP
(https://www.occto.or.jp/institution/access/kentou/access_process.html)

系統連系で
押さえておくべき期間の課題

手続きで特に注意したいのが、系統の増強を伴う場合の期間とコストです。系統の増強が必要になると、工事に多額の費用と数年単位の期間を要するケースがあります。近年は系統用蓄電池の連系申込が急増しており、資源エネルギー庁の資料では2025年6月末時点の契約申込み容量が全国で約1,800万kW(前年同月比およそ4倍)に達しています。申込の集中による回答の長期化も指摘されているため、余裕を持ったスケジュールでの申請が欠かせません。

電気事業法上の手続き

2022年の電気事業法改正により、1万kW以上の系統用蓄電池から放電する事業は「発電事業」として位置づけられ(施行は2023年4月1日)、発電事業の届出が必要になりました。あわせて、電気主任技術者の選任や工事計画の届出、使用前自主検査など、保安に関する手続きも求められます。設備の規模によって対象となる手続きが変わるため、経済産業省の手引きなどで自社の設備が該当する要件を確認しておく必要があります。

参照元:経済産業省 資源エネルギー庁HP
(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/062_05_00.pdf)

電力市場への参加登録

系統用蓄電池は複数の電力市場から収益を得るため、それぞれの市場に応じた参加登録が必要です。

広域機関(OCCTO)への登録

市場取引の前提として、OCCTOへの会員加入と、事業者情報・電源等情報の登録、発電販売計画の提出が必要です。各種コードの取得や広域機関システムの利用申請もこの過程で行います。

卸電力市場(JEPX)への参加

安い時間帯に充電し高い時間帯に売電する取引を行うには、日本卸電力取引所(JEPX)の取引会員になる必要があります。

需給調整市場・容量市場への参加

需給調整市場に参加するには、属地の一般送配電事業者と発電量調整供給契約を締結し、商品ごとに定められた性能や計画提出の要件を満たします。供出可能量が1,000kW以上であれば単独入札が可能で、それ未満はアグリゲーター経由で参加します。容量市場は将来の供給力を取引する市場で、OCCTOでの登録が前提となります。

参照元:電力広域的運営推進機関(OCCTO)HP
(https://www.occto.or.jp/various/occtosystem/)
参照元:日本卸電力取引所(JEPX)HP
(https://www.jepx.jp/electricpower/documents/)
参照元:電力需給調整力取引所(EPRX)HP
(https://www.eprx.or.jp/outline/docs/yousuichikudenchi_guide_260314.pdf)

長期脱炭素電源オークションの
応札手続き

原則20年間の容量収入が見込める長期脱炭素電源オークションに応札する場合は、電源等情報の登録受付期間中に蓄電池に係る事業計画や、系統連系の見通しを示す接続検討回答書などの証憑を提出する必要があります。近年はセキュリティ要件の適合ラベルなど、提出が求められる証憑が追加されているため、募集要綱で最新の必要書類を確認することが重要です。

参照元:電力広域的運営推進機関(OCCTO)HP
(https://www.occto.or.jp/assets/market-board/market/files/202507_youryou_gaiyousetsumei_long.pdf)

手続きの負担を
軽減する方法

系統連系から各市場の登録、運用までを事業者が単独で進めるのは容易ではありません。分散型リソースを束ねて市場に供出するアグリゲーターに運用を委託すれば、複雑な市場参入手続きや計画提出、通信要件への対応を任せられ、個別事業者の負担を抑えられます。特に容量の小さい設備では、アグリゲーターの活用が現実的な選択肢になります。

複雑な手続きは
段階ごとの専門支援が鍵

系統用蓄電池の手続きは、系統連系の申請、電気事業法上の届出、各電力市場への参加登録と多岐にわたり、それぞれに所要期間や必要書類があります。なかでも系統連系は回答や工事に長い期間を要する場合があり、事業計画の初期段階から見通しを立てておくことが欠かせません。

手続きの遅れや漏れは、事業開始の遅延や収益機会の損失に直結します。用地の選定から系統連系の申請、市場参加、運用までを一貫して支援できる専門企業に相談し、自社に代わって手続きを進められる体制を持つパートナーを比較検討することをおすすめします。

事業フェーズに応じた
会社選定が
事業成功の鍵

系統用蓄電池事業では、事業フェーズごとに求められる専門性が異なります。支援会社によって対応範囲も異なるため、フェーズに合わない会社に依頼すると、対応できない工程は別の会社を探すことになり、事業化が遅れる原因になります。
だからこそ、事業フェーズに合った支援会社を選ぶことが重要です。

当メディアでは、用地選定・設計施工・運用の各フェーズに適した支援会社を紹介しています。各社の特徴を比較し、適したパートナー選定にお役立てください。

フェーズ別
系統用蓄電池ビジネスを
サポートする会社3選
用地選定から
依頼するなら
GATES
GATESのキャプチャ
引用元:GATES公式HP
https://gatestokyo.co.jp/tiktak/grid-overview/
系統接続や土地条件を事前に精査
事業化までの時間を短縮
  • 不動産と再エネ両分野のノウハウを活かし、系統の空容量・搬入難易度・地目など複雑な用地条件を精査。異業種からの新規参入でも事業化に向けた検討を進めやすくする。
  • 権利付き事業用地のマッチングプラットフォーム「蓄託」を運営。接続回答書受理済みの用地のみを扱うため、自社で接続申請を行う必要がなく事業化を早められる。
設計・施工から
依頼するなら
テス・エンジニアリング
テス・エンジニアリングのキャプチャ
引用元:テス・エンジニアリング公式HP
https://www.tess-eng.co.jp/
着工後の手戻りや追加費用を抑え
投資計画通りの完工を支援
  • 系統用蓄電池ビジネスの黎明期から培った知見を活かし、着工前にリスクを設計へ反映。着工後の手戻りや工期延長を防ぐほか、接続申請や補助金手続きにも対応する。
  • ベンダーフリーで国内外の複数メーカーを比較・選定。初期費用の大部分を占める機器調達コストを抑えて損益分岐点を下げられる。
運用・電力市場
対応から
依頼するなら
デジタルグリッド
デジタルグリッドのキャプチャ
引用元:デジタルグリッド公式HP
https://www.digitalgrid.com/
全市場対応とトレーダー分析で
収益機会の最大化を目指す
  • 運用計画から市場入札、充放電指示までワンストップで対応。社内に専門チームがいなくても運用でき、投資判断後スムーズに収益化フェーズへ移行できる。
  • 全市場・全商品に対応し、市場価格や需給状況に応じて有利な市場を選んで運用。金融出身トレーダーの分析により、収益向上を目指せる。
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